休眠担保権抹消登記

イントロダクション

休眠担保権抹消登記の概要

休眠担保権抹消登記の概要に関する説明

休眠担保権登記の抹消方法

休眠担保権登記の抹消方法に関する説明
担保権者の行方で変わる抹消方法、担保権者が法人の場合について

弁済供託による休眠担保権抹消登記

実務上よく利用される弁済供託による休眠担保権抹消登記の説明
利用条件や手続の流れについて

休眠担保権抹消登記の登録免許税

登記申請の際に納付する登録免許税に関する説明

休眠担保権抹消登記の必要書類など

当事務所にご依頼いただく場合の必要書類などのご案内

休眠担保権抹消登記のご依頼・ご相談

休眠担保権抹消登記のご依頼・ご相談につきましては、当コンテンツの登記申請のご依頼・ご相談をご覧下さい。

休眠担保権抹消登記の概要

登記記録を調べると、長期間放置された担保権(先取特権・質権・抵当権)の登記を発見することがあります。その中には、明治・大正時代に債権額を10円として登記されているものもあり、物価や氏名・住所の記載に時の流れを感じます。このような古い担保権を、一般に「休眠担保権」といいます。

上記のような休眠担保権は、被担保債権が既に完済されて、消滅していると推測できます。返済が滞って任意競売がされていたら、担保権の登記は抹消されていたからです。また、たとえ未完済の場合であっても、被担保債権の消滅時効や担保権自体の消滅時効の援用により、休眠担保権は消滅します。

担保権が消滅しても登記記録から当然に削除されるわけではなく、登記記録から抹消するには担保権抹消登記を申請する必要があります。

休眠担保権の登記は事実上無意味なものですが、この登記が存在するために買い手や金融機関が敬遠し、取引・融資の支障となることがあります。

休眠担保権登記の抹消方法

休眠担保権の登記を抹消する方法は、次のとおりです。

  1. 担保権者または権利承継者(担保権者等)の行方が分かる場合
    1. 担保権者等と所有権登記名義人が担保権抹消登記を申請
    2. 判決により担保権抹消登記を申請
  2. 担保権者等が行方不明の場合
    1. 除権決定を受ける方法
    2. 債権証書と最後の2年分の定期金受取証書を提出する方法
    3. 債権の元本・利息・遅延損害金の全額を弁済供託する方法

担保権者等の行方が分かる場合の抹消方法

上記1.の1.は、通常の担保権抹消登記手続です。権利承継されている場合、権利承継者全員(たとえば相続人全員)が登記手続に参加することとなり、権利承継を証する公的書面(除籍謄本など)も必要です。また、担保権抹消登記とは別に、担保権移転登記が必要な場合があります。

上記1.の2.は、担保権者等が手続に協力しない場合の方法です。担保権者等に対して担保権抹消登記手続請求訴訟を提起して、勝訴判決を得たうえで、担保権抹消登記を申請します。上記1.の1.と同様、権利承継されている場合は権利承継を証する公的書面が必要となり、担保権移転登記が必要な場合もあります。

担保権者等が行方不明の場合の抹消方法

上記2.の1.は、訴訟より簡便な裁判所手続を利用した抹消方法です。裁判所に対して公示催告の申立てを行い、除権決定を受けて、所有権登記名義人が担保権抹消登記を申請します。

上記2.の2.は、実務上ほとんど利用されませんので説明を省略します。

上記2.の3.は、実務上よく利用される方法です。被担保債権の元本・利息・遅延損害金の全額を供託所に弁済供託して、所有権登記名義人が担保権抹消登記を申請します。

担保権者が法人の場合

担保権者が会社など法人である場合には、上記2.3.の弁済供託による担保権抹消登記手続の利用が難しくなります。前提となる「行方不明」について、法人の場合は認定されにくいためです。

この場合、上記1.1.(または上記1.2.)の方法を利用すると思われますが、当該法人の役員が存在しないとき(または当該法人が消滅して権利承継者が存在しないとき)には、特別代理人または清算人の選任を裁判所に申立てる必要があります。

弁済供託による休眠担保権抹消登記

ここから、よく利用される上記2.3.「弁済供託による休眠担保権抹消登記」を解説します。他の休眠担保権抹消登記手続に比較し、必要書面が少ない点と裁判所を利用せずにすむ点が長所です。

利用条件

この手続を利用するには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 担保権者等が行方不明であること
  • 被担保債権の弁済期から20年を経過していること
  • 債権・利息・遅延損害金の全額を供託すること

対象となる担保権登記は、「先取特権・(根)質権・(根)抵当権・これらの権利の処分」に関する登記・仮登記です。

次の登記は、この手続によって抹消できません。

  • 譲渡担保権に関する登記
  • 仮登記担保権に関する登記
  • 買戻権付所有権移転に関する登記

手続の流れ

担保権者等の登記上の住所地の供託所に、被担保債権、弁済期日から供託日までの利息・遅延損害金の全額を弁済供託します。なお、債権額につき現在の貨幣価値に合わせる必要はありません。

弁済供託後、法務局に休眠担保権抹消登記を申請します。

明治時代中期が弁済期の場合、供託日までの利息・遅延損害金が100年分を超すこともあります。高額の供託金が必要なのかと心配になりますが、債権額100円に対する120年分の利息・遅延損害金の合計額は約720円です。

なお、明治時代中期の100円は現在の貨幣価値に直すと約200万円です。

休眠担保権抹消登記の登録免許税

休眠担保権抹消登記の申請の際に納付する登録免許税は、不動産1個につき1,000円(最大2万円)です。

休眠担保権抹消登記に関する登録免許税の比較例
不動産の個数計算式登録免許税額
2個1,000円×22,000円
20個1,000円×202万円
30個1,000円×30>2万円2万円(×3万円)

なお、供託手続については手数料は不要です(弁済供託金は必要です)。

休眠担保権抹消登記の必要書類など

休眠担保権抹消登記の申請について、当事務所にご依頼くださる場合の主な必要書類などをご案内します。

融資による抵当権設定登記の必要書類と有効期限
必要書類有効期限
運転免許証などの本人確認書類各書類の有効期限内
印鑑(認印でも可)-
担保権者が行方不明の場合
行方不明であることを証する書面
  • 除籍簿等廃棄済証明書
  • 受領催告書が不到達であったことを証する書面
  • 閉鎖登記簿謄本廃棄済証明書 など
-
抵当不動産の登記事項証明書-

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