所有権保存登記
イントロダクション
- 所有権保存登記=権利登記の出発点
所有権保存登記の概要に関する説明
所有権保存登記が必要な場面、新築建物に対する課税について- 所有権保存登記の登録免許税
登記申請の際に納付する登録免許税に関する説明
住宅の減税要件について- 所有権保存登記の必要書類など
当事務所にご依頼いただく場合の必要書類などのご案内
所有権保存登記のご依頼・ご相談
所有権保存登記のご依頼・ご相談につきましては、当コンテンツの登記申請のご依頼・ご相談をご覧下さい。
所有権保存登記=権利登記の出発点
不動産登記は、次の2つに分類できます。
- 不動産の位置・形状などの物理的現況に関する登記(表示登記)
- 不動産の所有権・担保権などの権利関係に関する登記(権利登記)
「所有権保存登記」とは、権利登記のない不動産に最初にされる所有権登記であり、以後この登記を出発点として権利登記がされていきます。
所有権保存登記が必要な場面
所有権保存登記は、主に次の場面で申請することになります。
- 一戸建て建物を新築した場合
- 未使用マンションを開発業者から購入した場合
所有権保存登記の必要性
所有権保存登記には申請義務はありませんが、この登記をしなければ所有権移転登記や抵当権設定登記などの権利登記を申請できませんので、不動産の処分に支障がでます。他方、一定要件を満たす建物の場合、取得後1年以内に所有権保存登記をすれば登録免許税が減額されます。将来のことを考え、所有権保存登記の申請をしておくことをお勧めします。
なお、所有権保存登記を申請する前提として、「表題登記」が完了している必要があります。
表題登記は、建物の所在地や形状を測量し、物理的な現況を特定してから申請します。表題登記に関する業務は、土地家屋調査士が行います。
表題登記のない不動産を新築や売買により取得した場合は、所有権取得日から1か月以内に表題登記を申請する義務があります。表題登記の申請を怠った場合、10万円以下の過料に処せられます。
不動産取得により課税される税金の確認
所有権保存登記をするかどうかに関わらず、不動産を取得した場合、取得者に対して不動産取得税が課税されます。
税金の詳細は、当コンテンツ不動産取得者に関する税金をご覧ください。
また、以下の場合、贈与税が課税されることがあります。
- 不動産取得の際に出資していない者を共有者として共有名義の所有権保存登記をした場合(出資割合と異なる持分で登記した場合も含む)
- 共同出資により不動産を取得したが、内一人の単独名義で所有権保存登記をした場合
上記の場合には、「自ら出資していない部分」について、贈与を受けたものとみなされます。法律上は共有者間で任意に持分を決定できるために、申請内容の審査の際にもチェックが入らないので注意が必要です。
所有権保存登記の登録免許税
所有権保存登記申請の際に納付する登録免許税は、不動産評価額の0.4%が原則です。
例外として、減税要件を満たす住宅の場合、評価額の0.15%になります。
さらに、減税要件を満たす住宅につき「特定認定長期優良住宅」または「認定低炭素住宅」に該当する場合、評価額の0.1%になります。
減税要件 | 計算式 | 登録免許税額 |
---|---|---|
不該当 | 2,000万円×0.4% | 8万円 |
該当 | 2,000万円×0.15% | 3万円 |
特定認定長期優良住宅該当 | 2,000万円×0.1% | 2万円 |
認定低炭素住宅該当 | 2,000万円×0.1% | 2万円 |
住宅の減税要件
建物の所有権保存登記の登録免許税の減税を受けるためには、主に次の要件を満たす必要があります(租税特別措置法72条の2・74条・74条の2)。
- 新築一戸建てか、開発業者から購入した未使用マンションであること
- 附属建物でないこと
- 登記名義人個人の自己居住用の家屋であること(法人×、非住宅×)
- 家屋の床面積が50m2以上であること
- マンションの場合、耐火建築物または準耐火建築物であること
- 新築または購入後1年以内に所有権保存登記の申請をすること
分譲マンション(敷地所有権付マンション)を購入した場合には、敷地について別途所有権移転登記をする必要は原則としてありませんが、所有権保存登記の際に敷地権移転分の登録免許税を納付します。
敷地権移転分の登録免許税については減税措置がありません。敷地権持分の評価額の1.5%を納付することになります。
所有権保存登記の必要書類など
所有権保存登記の申請について、当事務所にご依頼くださる場合の必要書類など(主なもの)をご案内します。
必要書類 | 有効期限 |
---|---|
運転免許証などの本人確認書類 | 各書類の有効期限内 |
印鑑 | - |
表題登記完了証 | - |
表題登記申請書副本/登記事項証明書 | - |
建築確認済証副本 | - |
購入マンションの場合 家屋未使用証明書 | - |
特定認定長期優良住宅の場合 認定通知書 | - |
法人が申請人の場合 代表者の資格証明書 | 発行後3カ月以内 |