売買による所有権移転登記

イントロダクション

売買による所有権移転登記の概要

売買登記の概要に関する説明
課税される税金の確認や農地の売買について

売買登記の登録免許税

登記申請の際に納付する登録免許税に関する説明

売買登記の必要書類など

当事務所にご依頼いただく場合の必要書類などのご案内

土地取得に関する行政機関への届出

土地を取得した場合に必要な行政機関への届出の説明
山林や一定規模以上の土地を取得した場合の届出について

所有権移転登記のご依頼・ご相談

売買による所有権移転登記のご依頼・ご相談につきましては、当コンテンツの登記申請のご依頼・ご相談をご覧下さい。

売買による所有権移転登記の概要

不動産売買をした場合は、売主と買主が共同して、売買による所有権移転登記(売買登記)を申請する必要があります。

不動産売買により課税される税金の確認

不動産を売買する場合、課税される税金について事前に確認しましょう。

  • 買主には不動産取得税が課税されます。
  • 個人の売主には、譲渡益に所得税・住民税が分離課税されます。譲渡不動産の所有期間により、所得税・住民税の税率が異なります。譲渡不動産の所有期間により重課される土地譲渡益重課税は平成32年3月31日まで適用停止です。
  • 法人の売主には、売却益と他の益金を合算して法人税・法人住民税・事業税が課税されます。譲渡不動産の所有期間により重課される土地譲渡益重課税は平成32年3月31日まで適用停止です。

なお、不動産を時価の50%未満の価格で売買した場合(低額譲渡の場合)は、「時価と譲渡価額の差額分の贈与」とみなされ贈与税の課税対象になるなど、通常とは異なる課税がされてしまいますので注意が必要です。

税金の詳細は、次のコンテンツをご覧ください。

農地の売買

農地または採草放牧地(農地等)を売買する場合は、原則として農業委員会の許可を受ける必要があります。

農業委員会の許可を受けずに農地等の売買をしても、法律上は無効であり、当然ながら売買登記を申請することができません。また、違反者は原状回復を命じられ、罰則も科されます。

農地に関する許可申請のご依頼も承っております。

売買登記の登録免許税

売買登記申請時に納付する登録免許税は、不動産評価額の2%が原則です。

例外として、土地の場合、評価額の1.5%に減額されます。

また、減税要件を満たす住宅の場合、評価額の0.3%になります。

さらに、減税要件を満たす住宅について「未使用特定認定長期優良住宅」、「認定低炭素住宅」、「特定の増改築がされた中古住宅」に該当する場合、登録免許税が減額されます。

評価額1,000万円の建物の所有権移転登記に関する登録免許税の比較例
減税要件計算式登録免許税額
不該当1,000万円×2%20万円
該当1,000万円×0.3%3万円
未使用特定認定長期優良住宅
(一戸建て)該当
1,000万円×0.2%2万円
未使用特定認定長期優良住宅
(マンション)該当
1,000万円×0.1%1万円
認定低炭素住宅該当1,000万円×0.1%1万円
特定の増改築がされた中古住宅該当1,000万円×0.1%1万円

住宅の減税要件

建物の売買による所有権移転登記の登録免許税の減税を受けるに際し、主に次の要件を満たす必要があります(租税特別措置法73条・74条・74条の2)。

  1. 附属建物でないこと
  2. 登記名義人個人の自己居住用の家屋であること(法人×、非住宅×)
  3. 家屋の床面積が50m2以上であること
  4. マンションの場合、耐火建築物または準耐火建築物であること
  5. 使用されたことのある家屋については、次の要件を満たすこと
    • 耐火建築物の場合、築25年以内
    • 耐火建築物以外の場合、築20年以内
    • 上記年数を超える場合、現行耐震基準に適合
    • 特定の増改築がされた中古住宅の場合、築10年以上
  6. 購入後1年以内に所有権移転登記の申請をすること

売買登記の必要書類など

売買登記の申請につき、当事務所にご依頼くださる場合の主な必要書類などをご案内します。

売買による所有権移転登記の必要書類と有効期限
必要書類有効期限
両当事者の運転免許証などの本人確認書類各書類の有効期限内
売主の印鑑(実印)-
売主の印鑑証明書発行後3カ月以内
売主の権利証(登記済証/登記識別情報)-
買主の印鑑(認印でも可)-
買主の住民票-
売買不動産の登記情報が分かる書面-
建物減税要件中、年数要件を超える家屋の場合
耐震基準適合証明書/住宅性能評価書
発行後2年以内
未使用特定認定長期優良住宅の場合
家屋未使用証明書・認定通知書
-
売買不動産が農地/採草放牧地の場合
農地法上の許可書
-

土地取得に関する行政機関への届出

売買により下記表に掲げる土地を取得する場合は、売買契約締結の前後に、取得土地の存する各届出先の行政機関へ事前届出または事後届出(所有者となった旨の届出)をする義務があります。これらの届出をしないと、罰則を科されることがあります。

売買による土地取得に関する各行政機関への届出
土地の種類土地の面積の要件届出先届出期間
監視区域内
の土地
規則で定める面積以上都道府県知事
(市町村長経由)
契約締結の
6週間前まで
上記区域外
の土地
  • 市街化区域
    2,000m2以上
  • 他の都市計画区域
    5,000m2以上
  • 都市計画区域外
    10,000m2以上
都道府県知事
(市町村長経由)
契約締結後
2週間以内
山林
※上記届出を
した場合除く
-市町村長取得後
90日以内

「登記申請」は任意ですが、「上記届出」は義務となります。売買登記が完了しているか否かに関係なく、上記届出は必ずしなければなりません。

上記届出に関する手続のご依頼も承っております。


林司法書士事務所外観